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体のバネが良いって何だろう?

「バネが良い」ってなんだろう? 〜SSCとデプスジャンプの視点から〜

スポーツの現場やトレーニングの場で「バネが良い」という言葉を耳にしたことはありませんか? これは、ジャンプ力やスプリントの速さに関係し、特に「瞬発力の高さ」を示す言葉として使われます。しかし、この「バネ」とは具体的に何を指し、どのように鍛えることができるのでしょうか? 今回は「ストレッチ・ショートニング・サイクル(SSC)」と「デプスジャンプ」に注目して解説していきます。

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ストレッチ・ショートニング・サイクル(SSC)とは?

「バネが良い」と表現される運動能力の本質は、**ストレッチ・ショートニング・サイクル(Stretch-Shortening Cycle, SSC)**にあります。SSCとは、筋肉が伸張(ストレッチ)された後、素早く短縮(ショートニング)することで発生するエネルギーの再利用メカニズムです。

SSCの3つのフェーズ

SSCには以下の3つのフェーズがあります。

  1. エキセントリック局面(伸張局面)
    • 筋肉が引き伸ばされるフェーズ。
    • 例:ジャンプの前にしゃがむ動作(大腿四頭筋が伸ばされる)。
  2. アモータライゼーション局面(切り返し局面)
    • 伸張から短縮へ移行する瞬間。
  3. コンセントリック局面(短縮局面)
    • 筋肉が縮んで力を発揮するフェーズ。
    • 例:しゃがんだ後に一気にジャンプする動作。

SSCの効果が高いほど、効率的に筋肉の弾性エネルギーを活用でき、より大きなパワーを発揮できます。つまり、「バネが良い」とは、SSCを効果的に使える能力とも言えます。


デプスジャンプとは?

SSCを最大限に活用し、「バネ」を鍛えるための代表的なトレーニングがデプスジャンプ(Depth Jump)です。デプスジャンプは、一定の高さの台から降りた後、できるだけ素早く高く跳ぶエクササイズです。

デプスジャンプのやり方

  1. 30〜60cm程度の台に乗る。
  2. 片足ではなく両足で地面に降りる(エキセントリック局面)。
  3. 地面に接地したら切り返し(アモータライゼーション局面)、最大限の高さを狙ってジャンプ(コンセントリック局面)。
  4. 着地後はリラックスし、次の動作へ。

デプスジャンプの効果

  • SSCの強化:着地時の伸張反射を活用し、瞬発力を高める。
  • 接地時間の短縮:切り返し動作を身につけることで、スプリントやジャンプの効率が向上。
  • 下半身の筋力向上:特にハムストリングス、大腿四頭筋、ふくらはぎの強化につながる。

「バネが良い」とは、ストレッチ・ショートニング・サイクル(SSC)を効果的に活用できる能力のことを指します。そのSSCを強化するためには、デプスジャンプのようなトレーニングが有効です。
瞬発力を高め、スポーツパフォーマンスを向上させるために、SSCを意識したトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか?

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